謎の別れ

うまくいかないのが恋

  • 更新回数:9回
更新日:2015.09.16.

謎の別れ出会いは突然やってくるというが、別れも突然やってくるものだ。

証券会社に勤める彼は、順風満帆な生活を送っていた。
彼はその年齢の男性が得る平均的な年収よりもかなり多い年収をもらっていて、都内に買ったリッチなマンションで結婚を約束した彼女と同棲していた。
将来に対して何の不安もなく、今ある幸せがこれからもずっと続くんだと信じて疑わない日々。
同棲を始めて2年が経っていた。

ある時、彼の仕事が立て込んで休日出勤する日が続いた。
ようやく仕事も落ち着いてきた頃、寂しい思いをさせて申し訳なかったという思いで、彼女を都内の有名なホテルスパに誘った。
この週末は二人でゆっくり過ごそう。
リッチな休日の過ごし方だが、彼は時たまこうやって彼女をデートに誘い出した。
彼の経済力はそれだけ豊かだった。

そんな週末を前にして、彼はいつものように 「仕事を終わったから今から帰るね」と彼女に電話を入れた。
「うん、待ってるね」といつもの返事。
そして彼はいつものように自宅の玄関を開けた。

ところが・・・家の中はいつもと違っていた。
なんと家財道具が全て無くなっていたのだ。
そして家財道具一式とともに、彼女の姿も無くなっていた。
「一体何が起きたんだ?」  彼はすぐに彼女に電話したが、コール音が鳴るだけで応答はない。
何度コール音を鳴らしても反応はなく、翌日には電源を切られてしまった。

その後、弁護士を名乗る男から 「彼女に連絡を取りたい場合は、弁護士の私を通してください」という連絡があり、直接彼女と話をさせてくれといくらお願いしても彼女と連絡を取ることができなかった。
彼女の実家の両親に話を聞いても、弁護士に話を聞いても、「すべてはあなたの責任ですから」という一方的な答えが突きつけられるだけで、結局その後も彼女と一度も話をすることはできなかった。

突然訪れたこの不思議な別れから1年。
今でも真相は謎のままだ。
しかし、彼は見事立ち直り、その後合コンで運命的な出会いを果たし、幸せな結婚をして、今では立派な一児のパパである。